建物

相続をきっかけに見直す登記

【解決事例】増築・曳家・取り壊し…「登記と現状が全然違う!」実家の相続対策

こんにちは。栗原市で土地家屋調査士をしている、小野寺です。

今日は、相続をきっかけにご相談いただくことが多い「長年の増改築で、現状が分からなくなってしまった建物」の解決事例をご紹介します。

「古い家で、登記簿と実際の建物の形が合わない気がする…」

「父が亡くなり相続の話が出ているが、手続きが進められるか不安」

そんなお悩みをお持ちの方、実はとても多いんです。

今回の事例が、少しでも解決のヒントになれば幸いです。

ご相談のきっかけ

「父が亡くなり、実家を相続することになったのですが、建物の登記簿と実際の家が全く一致しないんです…」

ご相談にいらしたA様は、困り果てたご様子でした。 お話を伺うと、亡くなられたお父様は、長きにわたり大切に家を守ってこられたそうです。しかし、数十年という長い歳月の中で、ご家族の成長やライフスタイルの変化に合わせて、何度も増築や改築を繰り返されていました。

特にA様が頭を抱えていたのは、「昔、家をそのまま移動させた(曳家)ことがあるらしい」という点と、「もう取り壊したはずの納屋が、書類上は残っているかもしれない」という点でした。

調査と解決の様子:家の「歴史」を紐解く作業

私たち専門家は、まず資料調査と現地調査を行い、建物の「歴史」を整理することから始めました。

1. 過去の資料で「家の変化」を追跡 役所で古い資料(建築計画概要書など)を調査したところ、過去に何度も工事の申請が出されていることが分かりました 。 一度だけでなく、二度、三度と、長い年月をかけて少しずつ今の形に変わってきたことが記録から読み取れました。

2. 複雑なパズルを解く(曳家と滅失) 調査を進めると、A様のお話通り、以下の事実が判明しました。

  • 曳家(ひきや): 過去のどこかのタイミングで、建物を壊さずに場所だけを移動させる工事が行われていました。
  • 未登記の滅失: 古い建物の一部や納屋などは既に取り壊されて現地にはないのに、登記簿上だけ残ったままになっていました。

3. 相続の手続きもスムーズに 今回は建物の所有者様が既に他界されていたため、通常の登記申請に加えて、「相続人であることの証明書」をセットにして手続きを行う必要がありました。

複雑に入り組んだ建物の図面を現在の正しい形に引き直し(表題変更登記)、存在しない建物の記録を消す(滅失登記)手続きを、相続の書類と合わせて法務局へ申請しました。

お客様の声

「何十年も前のことなので記憶も曖昧で、正直どこから手を付ければいいのか分かりませんでした。先生が『この時期にこういう工事をされたようですね』と一つ一つ紐解いてくれて、安心してお任せできました。無事に正しい形で相続ができて、肩の荷が下りました。」

調査士からの一言

今回のケースのように、「増築」「一部取り壊し」「曳家」などが繰り返されている建物は、栗原市では珍しくありません。

特に、所有者様が亡くなられた後の相続のタイミングで、「図面と違う!」と発覚することがよくあります。 「複雑すぎて、もうどうなっているのか分からない…」と悩む前に、まずは一度ご相談ください。

「古い契約書」や「昔の図面」などが一枚でもあると、そこから糸口が見つかることもあります。何もない場合でも、現地の痕跡から私たちが調査しますのでご安心ください。


【これってどうなの?と思ったら】 実家の未登記増築や、図面との不一致でお困りの方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。まずは現地を拝見し、解決への道筋をご提案いたします。